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自由気ままに見える野良猫たちにも、それなりにドラマがある
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■スカーフェイスまさお
2012年の春、ポーチにおいてあるオグの箱部屋の上に当然のように座っていたまさお。
まさおの存在に気づいた瞬間、異様な容姿と雰囲気に驚きの声をあげてしまったが、まさおはこちらをジロリと睨み平然としている。そばに寄って手を伸ばしても微動だにせず肝も座っている。
体も大きく顏には大きな傷があり、
かなりの修羅場をくぐってきたのか、少々のことでは動じない落ち着きがある。
人間をなんとも思っていない態度は全盛期の絶対王者ハチと似ている。
2013年3月、しばらく見ないと思っていたら、久しぶりに現れた。
また顔に怪我をしている。ボス猫になるためにはケンカは仕方がないのか。
うちに来るのは栄養補給をしてキズを癒すためか?
しかし、まさおを傷つけるほどの実力のある猫も気になる。
ある日、知人と家の前で世間話しをしていたら、塀の上からションベンをひっかけてきた。完全に人間をなめている。
2013年4月、捕獲して病院へT.N.R。
性格が荒いのでこれで少しはやさしくなってくれればと思う。
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■ゲン
2011年に現れた野良猫。半年程うちに来ていたが、パタッと姿が見えなくなった。まだ若そうだったので、おそらくメスを求めて放浪しているのだと思う。
堂々として面構えがいい。
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■K2
2010年頃からポーチの餌場に現れた。おっとりとした性格で、がっついている他の野良猫にいつもご飯をゆずっている。やっとご飯にありついたと思ったら、いつまでもゆっくりと食べている。おそらく近所の飼い猫だと思う。こんな性格では野良としてやっていけるとは思えない。
マンチャン、ヘーチャン親子と一緒に遊んでもらいたくて、いつも後をついてまわっている。
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■シンセキ
2008〜2009年前後にはよく来ていた長毛種の野良。2012年にはもう見かけなくなった。
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■モモグロ
パッと見たときはオグロイチマツと見間違う。警戒心が強く、たまにしか見かけないので性格がわからない謎の猫。ひょっとしたら「ク」の兄弟か?
2011年に撮った画像をよく見たら、白黒ではなく白茶だった。
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■オグロイチマツ
2010年、突然あらわれた白黒の大人猫。白黒は気が強い(我が家のク)のに4〜5回ご飯をあげただけで頭をスリスリ☆すぐに捕獲して病院へ連れて行くと「手術済」だった。。。誰かが捨てたのか、はたまた脱走猫なのか。。。白黒猫特有の気難しい部分もあるけれど、ごはんの時間になるとダミ声で鳴きながらやってくる。
最近はポーチに作ってやったハッポチの箱に入っている事が多い。イワちゃん・うっちゃんと相性がちょっと悪い。
「オグちゃん」と声をかけると、うれしそうな顔をする。
2013年5月現在、晩ご飯とは別に深夜ご飯が出てくるまで帰らないオグ。
さらに深夜ご飯の後は15分程、腰をトントンとしてやらないと満足しなくなった。
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■チンピラのチョースケ
近所のチンピラ猫。誰彼かまわず襲いかかる無法者。何匹もケガニャン続出で、マチもやられた。去勢すれば少しはおとなしくなると思いTNRしたが、凶暴さは全然変わらない。人間が近づいても逃げないほど気が強いが、ボス猫になるほどの器ではない。どこかを放浪しているのか1ヵ月程見なくなることが度々ある。
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■へーちゃん
天真爛漫なマンションの息子。マンションは2匹の子供を連れてウロついていたある日、1匹の子猫が餌やり仲間のおばちゃんの目の前で車に跳ねられた。ひき殺した車は止まることなく、遺体をおきざりのまま走り去ったらしい。すぐに連絡を受けて見に行くと道路の真ん中で子猫が血を流して倒れていた。それを見守るようにマンション母とへーちゃんがのぞきこんでいた姿が目に焼き付いている。可愛いキジの女の子(生後3ヵ月位)だった。その後のへーちゃんは常にマンション母にぴったりくっついて、すくすく育ち、TNRも無事済んだ。
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■マンション
2009年突然どこからともなく現れた4〜5ヵ月くらいの猫。ごはんを入れてやっても目を合わすだけで「シャッー!!フッー!!」という。「気の強い子猫やな」と思っていた。でも、このあたりは避妊手術したコばかりで産まれるハズはないから、どっかのアホが捨てたコなんだろう。メスなら大変だから早く捕獲して手術しなければ、と思っている矢先、なんと!子猫2匹を連れてやってきた。野良の世界ではこんな子供みたいな体でも出産時期に入ってしまうのかと驚き、あわてて捕獲・手術、(TNR)した。現在はチャリカゴ猫マチを姉御と慕い、ヴィーナを見るとパンパンに太ったボディーで体当たり的スリスリ。
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■すーさん
シーちゃんと同様、おばちゃんに可愛がってもらっている。
猫独特の自由気ままな性格。可愛い顔して時々すねたり、気難しいおじょうさん猫。
それでもおばちゃんは「なんやの〜今日は〜機嫌なおしーな〜ハイ!缶詰!」
スーさんがいるからもちろん、ハマちゃん(はっちやん&まっちゃん)もいます(釣りバカ日誌より)
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■シーちゃん
いつも一緒に餌やり・避妊・去勢をしてくださる近所のおばちゃんにだけなついている。
猫一倍あかんたれで、気の小さいシーちゃん。男のコなのにいつも「おばちゃ〜んおばちゃ〜ん」と高い声で鳴きながらおばちゃんだけに寄っていく。
一時体調を崩して、ぐったりした時期もあったが、おばちゃんが手厚い治療を受けさせてあげた結果今は元気に回復。
雨の日も、雪の日も、老体にムチ打って餌やりを続けてくださるおばちゃん。本当に頭がさがる思いでいっぱい。この人に知り合えなかったら、私たちは外猫のお世話を続けていけなかったかもしれない。といっても過言ではない。とにかく、シーちゃんは、そんなおばちゃんが大好きで大好きでたまらない様子♩
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■ホワイトデカ(ベーチャン)
ハッチャンが現役バリバリのボス猫だった頃、デカチャン(行方不明)とNo2の座をめぐって争っていたと思われる。若い頃は身体も大きく迫力もあったが、今では覇気がなく、身体も汚れてホワイトからベージュになってしまい、近所のおばちゃんにはベーチャンと呼ばれている。はたしてボスの座には座れたのか?がんばれベーチャン!!
2010年頃から姿が見えない。
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■絶対王者ハッチャン
いつ頃からボス猫だったのか、2005年には近所の野良猫のトップとして君臨していた。眼光鋭く、体躯も大柄で堂々と歩いていた。人間が近づいても逃げようともせず、逆に「やるんか?」とばかりに睨み返してくる。かなり体のでかい青年猫でもハッチャンには10mも近づけず、目も合わせられない状態だった。そんなハッチャンでも茶吉かあちゃんにだけは一目置いているようなふしもあった。
2007年8月の猛暑の日、しばらく見かけていないなぁと思っていたら、うちのポーチに突然現れた。ガリガリに痩せてみすぼらしい姿になっている。「ハッチャン!どないした!?」声をかけても力なく「ニャ~」と鳴くだけ。ポーチには野良用の餌を置いているが、ハッチャンは今まで1回も食べに来たことがないし、道で声をかけても無視をするし、仲良しになるどころか近づくことさえ絶対にないと思っていただけにびっくりした。よく見ると目ヤニが出て、腰の骨が浮き出ている。猫エイズが発症したのかも知れない。この様子だと数日ともたないだろうと思った。
ポーチに寝床を作り、毎日、缶詰とハモチクをやって、恐る恐る目ヤニを拭いてやった。ポーチに餌を食べに来る他の野良猫は、横になっているハッチャンに睨まれるだけでスゴスゴと退散してしまう。さすがにボスの威厳は失われていない。むしろ痩せたぶん余計に眼光が鋭くなっている。やがて3ヵ月がすぎ体重も増え、少しずつ元気になってきたハッチャンは11月に入って行方不明になった。
3日間姿が見えないので探しに行こうと思っていたら、フラフラと目もうつろで骨と皮だけになって帰って来た。声をかけても反応がないし、大好きなハモチクをやっても食べない。とりあえず寝かしてやろうといつもの寝床に入れてやって仕事に出かけた。夜中の11時頃おかんから「ハッチャンの様子がおかしい!」と電話があった。急いで帰ったがすでに絶命していた…。ハチが亡くなったと思われる時間に、家の中で寝ていたバスが突然吠え出したらしい。
死期を悟ったハチは王者らしく死に場所を探し求めたが見つからず舞い戻ってきたのか?最後のお別れを言いにきたのか?どちらにしろ、うちを終の住処として選んでくれたのは仲間として認めてくれたような気がする…。まさに『 巨星墜つ』という表現がふさわしい彼の死は、一つの時代が終わったように感じた。人には媚びず長い間野良猫のボスとして君臨していたハチは孤高の絶対王者だった。短い間だったけど信頼され、自分だけがハチを抱けるのがうれしくて内心自慢に思っていた…。(おとん)
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■アオちゃん&イワちゃん&うっちゃん
茶吉かあちゃんが産んだ、初めてのTNRをした3匹の子供たち。
ちゃあくん&うぃんちゃんパパが素手で捕獲した日は、引っ掻かれて噛み付かれて玄関ポーチが血に染まり大変だった!後日、噛まれた手の腕が肩までパンパンに腫れあがっていた。餌付けをして、もう何年も経つのに、1mまで近づくのがやっと…それでも、元気で茶吉かあちゃんと仲良く過ごせてるならいい。もう、捕まえたりしないから、お腹いっぱいごはんを食べて長生きして欲しい。最近アオちゃんを見かけないので心配。
2011年の末まで見かけていた茶吉かあちゃんと娘のイワちゃん&うっちゃんが2012年になって見かけなくなったとおもっていたら、うっちゃんだけがうちの餌場に現れた。2013年5月現在も元気にご飯を食べにきている。
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■グランドマザー 茶吉かあちゃん
2005年、まだ外猫が風景の一部でしかなかった頃、知るかぎり3年程で30匹は産んでいる茶吉かあちゃん。しかし、悲しいかな成猫として育った子供達は数匹。野良猫の宿命とはいえ都会の厳しい環境では、餌の確保・子育ての場所・交通量などを考えるとあまりにも住みにくい。
このままでは不幸な野良猫が増え続け、近所の苦情も増える。なんとか茶吉かあちゃんを捕獲して、避妊手術をしなければと餌付けを始めたが、2年余りが経っても野良のプライドがあるのか一向になつかない。その間もどんどん子猫を産んでいるし、もう強引に捕まえるしかないと作戦をいろいろ考えたが、不思議な事に「今日は捕まえるぞ」と思ったときに限って姿を現さない。これが「野生の勘」というものなのか。結局、何も作戦をたてず一瞬のスキをついておとんが素手で捕まえたが流血の戦いとなった。
初めて茶吉かあちゃんの子猫を捕獲したときには「私の子供を返して〜!」と言わんばかりに裏の網戸に張りつき、うなり声をあげていたのを今でも思い出すことがある。人間が自分の子供を虐待する世の中で、母猫の方がよっぽど愛情が深く、たくましく子育てする姿に我々人間が忘れてしまっているものを教えられるようだ。
2011年1月現在は3匹の子供たちと野良生活を送り、若い頃よりもおだやかになったような気がするが野良のプライドだけは持ち続けている。身体は小さいけれど、頭もいいし、凶暴なオス猫相手でも全然ひるまない。実に尊敬に値する野良猫といえる。
野良の生存率は低いけれど、かあちゃんに育てられた方が幸せなのか、家猫として長生きした方が幸せなのかは誰にもわからない。ただうちの猫を見るかぎり、野良でなくて良かったな〜と思う。
2012年になって、茶吉かあちゃんの姿が見えなくなった。同時にイワちゃんもいなくなった。
野良の鑑である茶吉かあちゃんは、おそらく人知れずどこかで絶命していると思う。
かあちゃんっ子だったイワちゃんもかあちゃんの側で逝ってしまったと考えられる。
せめて埋葬してやろうと思い、何回か近所を探しまわったが残念ながら見つけられなかった。
圧倒的存在感のあった茶吉かあちゃんがいなくなり、街がさみしくなった。
若い頃の一時期、野良仲間だった盟友マチとは老猫となってから、よく日なたぼっこをしていた。
そのマチも後を追うように2月に亡くなった。今は虹の橋で一緒に日なたぼっこをしているはず。
これからもかあちゃん以上の野良は現れないと思う。かあちゃん今までお疲れさん。
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